始めましょう、素晴らしきアクア生活。

Vol.4 そんなことありません
「お金持ちの趣味なイメージ」

本当に大金持ちの趣味だった最初期

熱帯魚の趣味と言うと、大昔はとてもハイソサエティな趣味だったと言われています。
昭和の時代、からに沢山の熱帯魚の飼育に関する書籍を執筆している日本の熱帯魚の第一人者、牧野信司さんのインタビュー(フィッシュマガジン1987年10月号)によると、日本に熱帯魚が初めて上陸したのが大正5年。 その後、丸ビルなどで小さなエンゼルフィッシュが5円で売られていたそうです。 当時の初任給が10円くらいですから、とんでもない金額です。 当然そんなものは簡単には手に入りませんし、水槽らしきものは全てオーダーメイドです。 ヒーターやサーモスタットも無いですから、温室を作ることになるわけですが、そんなものを作るとなるとかなりのお金が必要になります。

熱帯魚の輸送技術も養殖場も確立されていないですから、そもそも魚自体が全て高額です。 今では一匹100円代で手に入れることもできるネオンテトラ Paracheirodon innesi も、初めて日本に入ってきたときは数万円近くの値が付いた!なんて話もあります。 熱帯魚の飼育の知識も当然ありませんから、大金持ちがドイツ人の熱帯魚の技術と知識を持つ飼育員を雇って管理をさせていたという逸話もあるのです。 そもそも昔は水槽というもの自体がそんな手軽には手に入らなかったらしく、古いノウハウ本(熱帯魚の正しい飼い方 石川貞二著 1968年発行)によるとガラスで作られていたバッテリー容器(ガラスバット)を水槽代わりにしていた時代もあったようです(これも高価だったらしい)。

そう、日本に初めて熱帯魚が上陸した当時は、かなりのお金持ちでなければ熱帯魚の飼育なんてできなかったわけです。
しかし、これはあまりにも昔話すぎて、「お金持ちの趣味なイメージ」という印象につながっている原因ではなさそうです。

のブームの印象

何度かあった熱帯魚ブームの中でも、から頃迄に起こった大ブームがあります。
特に、アロワナとディスカスという2大熱帯魚の王様がブームとなり、特にアジア・アロワナ Scleropages formosus の極上個体には数百万の値が付けられていました。 当時から熱帯魚業界で働いていた方の話によると、そんなとんでもない金額のアロワナを一度に数匹買って帰る客が何人も居て、週末には大型店のレジには札束が入りきらない程だったそうです。 この頃の高額なアロワナをリビングの大型水槽で泳がせるイメージが、「なんとなく金持ちの趣味っぽい」という印象につながっているのではないでしょうか。

高価なアジアアロワナ。魚自体の値段もさることながら、大型の設備を用意するのにも結構お金がかかります。

アロワナ以外でも、コリドラスのマニアが一度に100万円以上の買い物をしたり、アマゾンから巨大なサイズのアルマータス・カショーロを輸送費に何十万もかけて輸入したりと、様々な逸話が聞こえてきます。 そう、当時はお金持ちのアクアリストがとんでもないお金の使い方をするケースが多々あったようなのです。

アクアリウムは「お金がかかる」ではなく「お金をかけられる」趣味

お金をそれほどかけずに素敵なアクアリウムを作る方法はないのでしょうか?
実は、大した金額をかけずとも、素晴らしいアクアリウムを作ることは可能です。 アクアリウムで熱帯魚を飼おうと思うと、まずはなにより水槽やフィルターなど、機材を揃えなければなりません。 「高そうだなぁ…」と思う方が多いと思いますが、やりようによっては機材にそんなにお金はかかりません。 もちろん、レアな魚や水草、大型水槽や高級器具などで揃えてしまうとなかなかお金がかかりますが、それは「お金がかかる」というより「お金をかけられる」という感覚です。 これは他の趣味の分野でも同じですね。

水槽は高い?

まず、アクアリウムをやったことがないと、「水槽って高そう!」って思いませんか?
私も最初はそう思っていました。 どんなものでも最低一万円くらいは余裕でするだろうと思っていました。 もちろん、大型でガラスのクオリティが高いものは何万もするものがいくらでもありますが、30cm〜60cmくらいの小型水槽なら数千円で買えてしまうんです。 超小型ですが、30cmのレギュラーサイズの水槽なら2,000円以下で手に入るものもあります。 もちろん、60cmくらいの水槽があったほうが楽しめるのは確かですが、30cmくらいなら本当に安く手に入ります。

水槽自体はそんなに高くはないですが、安い水槽は縁が緑色に見えます。でも、これはこれで綺麗です。

フィルターは高い?

次に水を濾過するためのフィルターですが、最も安上がりなのはスポンジフィルター、投げ込み型フィルター、底面フィルターなど、エアレーション(ブクブク)で水を廻すことで濾過を行うフィルターなら、数百円から手に入れることも可能です。
ただし、そういうフィルターを廻すにはエアーポンプが必要です。 エアーポンプも、パワーや種類にもよりますが1,500円くらいから手に入ります。 外掛けフィルターも安価ですが、濾材の交換が必要ですね。

エアーポンプで水を廻すタイプのフィルターは安価。左がスポンジフィルター、中央が底面フィルター、右が投げ込み式フィルター。

光熱費は大丈夫?

水道代は?

水道代は全く気にしなくて大丈夫だと思います。 超大型魚の飼育などでは新水垂れ流しなどの水道代がものすごくかかるような飼い方もありますが、そこそこの大型水槽でも風呂桶1杯分くらいですから、小型、中型水槽なら全く問題にならないでしょう。

電気代は?

電源が必要なものは、照明用のライト、ヒーター、フィルターです。 最近の照明用のライトはLEDのものが多いので、それほど気にしなくて良いと思います。 ヒーターはワット数によってはそこそこ電気を食いますが、夏は殆ど作動しませんし、冬場も作動しっぱなしということはないです。 大手メーカーであるGEXのサイトにある情報によると、120Wのヒーターが1日12時間作動したとして1日の電気代が36円だそうです。 フィルターは種類によるのでなんとも言えませんが、エアーポンプを使ったものだとすると月100円行かないくらいのはずです。 そう、つまり水槽を多少置いたところで、光熱費が何万円も上がるなんてことはほぼないでしょう。

そこまでお金はかかりません。

そう、「お金持ちの趣味」と言える程、お金はかからないのです!いかがでしょう?アクアリウム初めてみませんか?

アクリム:松端秀明

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